竹久野生の画の行脚・現在「九州—福岡」
・・・堀本 吟
この展覧会、奈良、京都展にゆきました、とても良い個展です。
現在九州福岡で開かれていますが。近辺のかた、現代俳句協会全国大会にご出席の方で、時間と関心があればのぞいてみてください。個展の全國行脚だそうですから、九州福岡が最後の地です。
俳句のサイトに絵画展覧会のこと、と思われるかとは思いましたが、この京都展を企画した世話役の人が、再開された「京大俳句会」の中心の大月健氏。(これは、1983年に終刊されて以来のことです)、今私が参加している「京大俳句を読む会」(こちらは戦前のあの「京大俳句」。ややこしい。)と提携しているので、まんざらむ関係とも思えないような気がします。ただし、竹久野生さんは、俳句には関係なく目下のところあまり関心もないようでしたが。
これら、二つの「京大俳句」のことについては、「俳句界—九月号」に、それぞれの代表者への特別インタビューが掲載されているのでご覧下さい。私からも、また、報告したいことも出てくるかと思います。
【1】展覧会
竹久野生展(福岡)2010.10月26日(日)〜31日(日)
会場 おいし 【福岡市中央区天神2−9−212
南通岩田屋より左側5軒目(092−721−6013)
なお。 11月2日〜7日
大分県九重郡筋湯温泉、悠々亭にて、辻まこと、竹久野生の小品展、作家トークも
【2】 竹久野生(たけひさのぶ)画歴
東京生まれ、上智大学西洋史専攻 。京都大学農学部造園学をまなぶが中退
1968 造園家の夫とともに南米コロンビアに移住。
1980年 コロンビア州立大学美術科卒、主に個展による作品発表を続けている。
2009年 日本縦断個展行脚の企画を立てて、北海道、東北、東京、山梨、の個展行 脚を続けている。この個展はその一環。 著者は、11月10日まで日本滞在。
この展覧会が、奈良と京都で行われたときに見に行って、作者の野生さんとすこしおはなししてみた。日本近代文学の底流にある、風狂放浪のこころを彼女もまたいだいている、俳諧となにか通じるものを感じた、この会見気はそのうち文章化してみたい。
【3】竹久野生人生歴
参照 山本夏彦著 「無想庵物語」1989‘文芸春秋社。)。武林無想庵『無想庵獨語』1946 。その他。我が家にもっとも古くからあるすてきれない蔵書をひっぱりだし、また、図書館で探した文献をまとめてみた、ら・・・ 竹久野生さんの人生歴は、これはいろんな文献をつきわせてみると、かなり変わった経歴であることが知れる。(以下 文責は堀本吟)。
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この野生さん自身が、若いころ移住したコロンビアで芸術活動という、画家としてのまた同時代の女性としても、経歴自体が日本人離れ。
そして、彼女の経歴を観るとむべなるかな、戦前のモダニズムに一時代を画した、ダダ詩人、自由人アーチストの文化圏と深いかかわりがあり、むしろその文化圏の申し子であるともいえ、つまり武林無想庵、辻潤、伊藤野枝、竹久夢二らの次世代の直系の次世代です。
辻まこと(父)&武林イボンヌ(母)の 次女野生(ノブ) 野生は、竹久夢二の二男不二彦の養女となり 竹久姓を名告る。
【紹介文—案内状より】
やわらかい光につつまれた塑像の顔みたいな印象を僕は持っている。漂うものはアンデスの大地と空気だ。しかし。どこか心許ない。そこに住んでいるというより、捨て子のようにそこに坐り込んだきり、辺りに咲く花や草花をじっと眺めている少女 (野見山暁治)
何に惹かれるのか、野生さんの絵には、私の在り所のような懐かしさを感じる。(志村ふくみ)
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京大俳句会の大月健さんともおはなししましたがこの方もユニーク。あたらしい京大俳句はこれからだ、と、現代俳句のことを一生懸命勉強しておられます。攝津幸彦句集を読み、俳句の妙味ってこういうんでしょうね、といっておられました。いろんなむすびつきのあった秋です。小規模ですが、ユニークという意味で美術の秋一番のイベントだと思います。お近くの方、ぜひ見に行って下さい。 2010年10月24日
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