2010年9月25日土曜日

「WORLD HAPPINESS 2010」吟行記 ・・・中村安伸/宮崎斗士

「WORLD HAPPINESS 2010」吟行記
・・・中村安伸/宮崎斗士

老若男女が楽しめるライヴ・イヴェントとして人気を集めている野外音楽フェスティヴァル〈WORLD HAPPINESS〉が、今年も8月8日に東京・夢の島公園陸上競技場にて開催されることがあきらかとなった。(TOWER RECORDS ON LINEより)

8月8日、夢の島公園陸上競技場(東京)にて、今年で3年目となる野外フェスティバル「WORLD HAPPINESS 2010」が開催された。Yellow Magic Orchestraをはじめとする全16組が出演し、会場には大人から子どもまで様々な客層が集まった。(livedoorニュースより)

当日は曇り空にときどきぱらぱらと細かな雨が降るという、おそらく真夏の野外フェスティバルとしては最高の気候だったのだろう。おそらくというのは、こうした野外フェスティバルに参加すること自体はじめての経験だったからだ。前日までの気候を考えると、当然のごとく猛暑が予想されたし、そのなかで8時間--日が落ちれば多少は涼しくなるはずにせよ--を過ごすと一体どんなことが起きるか、正直言って心配だった。
幸い暑さを感じることはほとんどなかったが、通常これだけの数のアーティストが登場すると、なかには興味をもてない人も混じっていたりして、そのタイミングで休憩できそうなものだが、幸か不幸かそういった時間がなかった。バラエティに富んだ質の高いステージの数々に、思ったよりも早く時間が過ぎていった。(中村安伸)

『俳句樹』を立ち上げるに当たって、何か創刊号の特別企画をと考えていた最中、このイベントが目にとまった。野外コンサート吟行というアイデア、中村くんも快く賛同してくれた。コンサートを観ながら俳句を作るというのは初めてだ。でも充実していた。普通に観ているよりもずっと面白かったと思う。ホールのコンサートだとたいてい場内真っ暗になっちゃうから、メモとったりするのけっこう大変だけれど、野外だからね。猛暑を心配して、いろいろ冷却グッズを持参したが、ほとんど使わなかった。中村くんも書いているように、本当に過ごしやすい一日だった。
天に感謝。参加アーティスト、スタッフの皆様に感謝。(宮崎斗士)



WORLD HAPPINESS 2010
2010/8/8 11:30開場 12:30開演



12:30~ にほんのうた楽団
01.浜辺の歌
02.赤とんぼ
03.椰子の実
04.からたちの花
05.かもめの水兵さん

宮崎:開演の50分前ぐらいに会場に着いていたのに、長い列に並ばされて、入場するまで一時間以上かかった。あれは仕方のないことなのだろうか。公演のトップバッターには気の毒だ。最後の「かもめの水兵さん」の途中から聴けた。ボーカルの小池さん、澄んだいい声だった。

中村:「かもめの水兵さん」のヴォーカルが耳から離れません。



12:50~ LOVE PSYCHEDELICO
01.Freedom
02.Shadow Behind
03.Abbot Kinney
04.Your Song
05.LADY MADONNA

宮崎:いい意味でルーズ、でも安定感があって好きなバンド。ボーカルのKUMI、何というかとても魅力的な表情。

中村:普通に良かった。KUMIのキャラクターがその立ち姿から伺えた。

ボーカリストKUMI鼻濁音蛭のよう 斗士
パイナップルの味だらだらと泣きぼくろ 斗士
ガム噛んで牛馬を冷やすギタリスト 斗士
中村:一句目の「蛭のよう」二句めの「パイナップルの味」それぞれがこのバンド、というかKUMIの一面を表していると思う。二句をセットとして 味わいたい。三句目は吟行句として読むのでなく「牛馬を冷やすギタリスト」を想像して面白かった。

秋風に佇つやマイクを旗と思ひ 安伸
宮崎:KUMIの存在感と際立つ音楽性が描かれている。「旗」が爽やかに靡く。効いている。



13:20~ 清竜人
01.ワールド
02.ぼくらつながっているんだな
03.ジョンLフライの嘘
04.痛いよ

中村:お坊ちゃま的なキャラクターを全面に押し出す一方で、ストレートな歌詞が若干恥ずかしい。女性ベーシストが素敵だった。

宮崎:「愛は勝つ」のKANや槇原敬之に近い音楽性。親しみ、好感は持てる。

むかしをとこ何不自由なくピアノ弾く 安伸
宮崎:「伊勢物語」とは渋いところを持ってきた。佇まいの良さが読み取れる。

噴水のよう半ズボンのピアニスト 斗士
目を閉じてもしゃぼん玉どっさりの八月 斗士
中村:たしかに「半ズボン」履いてました。「噴水」「しゃぼん玉」が彼のキラキラした若々しさを反映している。



13:40~ MONGOL800
01.あなたに
02.Don't Worry be Happy
03.小さな恋のうた
04.神様
05.矛盾の上に咲く花
06.PARTY

中村:好き嫌いは別として、密度の高い、パワフルなステージに圧倒された。

MONGOL800団扇で飛べそうな少女 斗士
中村:これはとても良い。当日の会場全体の昂揚感が出ている。
宮崎:メンバー達のざっくばらんなキャラクターとストレートな音で会場が沸いた。近くにいた女の子が、本当にこういうノリで両手でうちわを振り回して盛り上がっていた。

三人のよく働いてゐる残暑 安伸
宮崎:「働いてゐる」とはまさに言い得て妙。パワフルさがうまく出た。



14:15~ 大橋トリオ
01.MUSIC AROUND ME
02.はだかの王様
03.そんなことがすてきです
04.Happy Trail

中村:文学青年っぽい雰囲気で音楽的にも好みだった。ただ、強力なアーティスト二組に挟まれたこともあり、インパクト不足は否めない。

宮崎:一人でも「トリオ」という名前らしい。曲調、「はっぴいえんど」っぽい印象を受けた。中村くんの「文学性がある」という意見に同感。

秋風を書物を積みて防ぐなり 安伸
宮崎:まさに文学青年っぽさが出ている。「秋風を防ぐ」に面白い屈折。

ウッドベース微妙な空と少年と 斗士
夢のはじまり紫色の夏帽子 斗士
中村:「ウッドベース」「紫色の夏帽子」は、大橋トリオにとって象徴的なアイテム。繊細で叙情的な雰囲気が表現された二句。



14:35~ Cocco
01.強く儚い者たち
02.樹海の糸
03.ニライカナイ
04.蝶の舞う
05.絹ずれ

宮崎:やはりすごい存在感、歌の力があった。歌に込められた「思い」の量が尋常ではないのだろう。「こっこといいます。沖縄の女です」というMCにもシビれた。

中村:「ヴォーカリストの楽器は肉体である」などと言うとオペラ歌手の豊満な体躯などを想像してしまうが、そうしたイメージを覆された。Coccoが 細い身体を揺らして、信じられないくらいパワフルな声を搾り出す様子は圧倒的。なつかしい曲も聞くことができて、当時のことを思い出したりなども。

全身は楽器なり夏服が邪魔 安伸
宮崎:「夏服が邪魔」という措辞が佳い。「全身が楽器なり」の迫力を好フォロー。

スフィンクス顔痩せぎす平和歌うために 斗士
「オキナワの女です」夏が止まってまた始まる 斗士
骨で歌って目は夏っぽく空ろなり 斗士
歌う時いきなり泣けるから裸足 斗士
オキナワの歌鎖骨と顔と鎖骨かな 斗士
沖縄1945顔にざぶんと髪かかる 斗士
中村:「骨で歌って」「鎖骨と顔と鎖骨」というフレーズはCoccoの歌唱を端的にあらわしていて秀逸。六句めの「ざぶん」もいい。一方で「平和」「オキナワ」というような言葉が生で入ってくると句は弱くなる。



15:10~ カヒミ・カリィ
01.Nouveau Paradis
02.Time Travelers
03.I come here
04.Love is the fruits

中村:脚を組んで椅子に腰掛け、ささやくような声で歌唱。洗練し、確立させたスタイルに対する自負を感じた。ただ、ひとつ間違うと滑稽になりかねないギリギリのバランスかも。

宮崎:透明であるとか、繊細であるとかのキャラクターに徹している。武道の世界にも通じるような緊迫感。

森にかこまれ吐息のことごとく砂丘 斗士
カヒミ・カリィ淋しさは鱗粉になる 斗士
夏惜しむマイクに口づけした回数 斗士
中村:三句とも好き。カヒミ・カリィの美意識に触発された幻想的な句群。ステージ上で孤高を演じる彼女のたたずまいが思い起こされる。

立秋の風だけ入れるマイクかな 安伸
宮崎:「立秋の風」がぴたりと嵌まる。あのアンニュイさ、よく捉えられている。



15:30~ RHYMESTER
01.スタンバイ・チューン
02.ONCE AGAIN
03.ライムスターイズインザハウス
04.ちょうどいい
05.WACK WACK RHYTHM ISLAND

中村:なぜか硬派というイメージを持っていたが、意外なほどのエンターテイナーぶりに驚いた。ヒップホップのお祭り騒ぎ的な楽しさを短いステージ の間に感じさせてもらった。私の句は職人肌のDJに着目。

十本の指は野分を奏でるや 安伸
宮崎:ターンテーブルを操る指。「野分」と彼らの音楽性とが好配合。

ラッパ-の僧侶顔にて泉かな 斗士
ターンテーブル燕の子のように小刻み 斗士
宮崎:ラッパ-の宇多丸さんのセンス、キャラクターに惹かれた。軽妙洒脱なMCに場内も大ウケ。ワンマン公演にも機会があればぜひ行ってみたい。
中村:「ラッパーの僧侶顔」僧侶兼ミュージシャン、僧侶兼俳人などは少なからず存在しているが「僧侶顔」は省略も効いていて笑える。



16:00~ 口口口(クチロロ)
01.everyday
02.Everyday is a Symphony
03.ヒップホップの初期衝動
04.0:00:00

中村:いとうせいこう氏が好きなので期待大だったが、良くも悪くも素人っぽい。最後の曲、時報を使ったアイデアはとてもよかったが、ヴォーカルが若干自己陶酔ぎみだったせいか、ちょっと醒めてしまった。

空蝉と何度も舌を出す歌手と 斗士
向日葵やずっと時報のサンプリング 斗士
宮崎:四曲目の「0:00:00」が時報を多用した曲で、その着想に惹かれた。あと、口口口(クチロロ)というユニット名にはやはり唸らされた。この名前のインパクト、面白さに叶う音楽性というのもなかなか難しそうだ。

時報てふ告白のあり秋の水 安伸
宮崎:時報のあのよく通る声、クリアな感じに、「告白」のニュアンスって確かにある。これは気がつかなかった。やられた!という感じ。「秋の水」も上五中七といい距離感。



16:20~ pupa
01.dreaming pupa
02.Changing Skies
03.Azalea
04.Anywhere
05.Mr. Epigone
06.Meta

中村:私にとっては原田知世のコケティッシュさがすべて。

アイドルの涼しさを言ふ身ぶりかな 安伸
宮崎:pupaのボーカルは原田知世。「涼しさを言ふ身ぶり」というフレーズ、知世っぽさがうまく出ている。もう四十代(!)ではあるが、時をかけてきて、まだまだアイドル。そして変わらぬいい「涼しさ」がある。

羽蟻這う音だ知世という人形 斗士
pupaの音知世ほどよく蛍かな 斗士
宮崎:ステージ上で知世が何か「点滅」しているような印象を受けた。中村くんに「WORLD HAPPINESS知世ほどよく蛍かな、ではどうですか」と言われ、あ、そっちのほうがいいかも、と思った。  
中村:「知世という人形」はややストレートすぎたか。「羽蟻這う音」のかそけさはわかる。「知世ほどよく蛍」は良い把握。しかし、一句中に「pupa」「知世」と固有名詞ふたつを詰め込むのは厳しい。



16:55~ 安藤裕子
01.のうぜんかつら
02.私は雨の日の夕暮れみたいだ
03.黒い車
04.歩く

中村:女性ヴォーカリスト好きの私としては注目の一人。ただし、Coccoが先に出ているので、比較するとインパクトはやや弱い。Coccoが余分なものをそぎ落として巫女に近い存在になっているのに対し、良くも悪くも現世的な女の情感が強調されている。それが魅力でもある。

青空を歌う泣き声糸瓜咲く 斗士
ほたるぶくろまだ新米の雨女 斗士
宮崎:「泣き声」「雨女」というキーワードが浮かんできて、それに沿って句を作った。
中村:一句目の「青空」と「泣き声」のバランスがよい。二句目の「新米の雨女」というフレーズに彼女の生硬さとウエットさがよく出ている。

雨よりも纎きを束ねたる裸 安伸
宮崎:とても好きな一句。安藤裕子さん、きっと喜ぶと思う。彼女の持つ「雨っぽさ」をさらに展開、彼女の曲の世界観がきっちり出ている。



17:15~ ムーンライダーズ guest.小島麻由美
01.くれない埠頭
02.タブラ・ラサ ~when rock was young~
03.I hate you and I love you
04.ゲゲゲの女房のうた
05.日曜はダメよ
06.マスカットココナツバナナメロン

中村:肩の力が抜け、淡々とした大人のステージ。小島麻由美はこの日登場した多くの女性ボーカリストのなかでも、もしかしたら一番好きかもしれない。バランスよく熟した感じで。特に「マスカットココナツバナナメロン」はもともと彼女の歌だったんじゃないかと思うほど。

月に乗るその前に夕焼けを呼びぬ 安伸
宮崎:一曲目「くれない埠頭」からの詩想だろうか。美しい流れの一句。

ムーンライダーズ今もしっかり天気雨 斗士
長い長い前奏昼顔にも似たり 斗士
白髪ロッカー自由自在に土用波 斗士
宮崎:以前からムーンライダーズには「天気雨」的なノリを感じていた。実際に観たのは今回が初めてだが、その感じはけっこう当たっていた。小島麻由美は昔からファンで、ソロコンサートにも行ったことがある。あの声質にとても惹かれている。
中村:一句目の「天気雨」は当日の天候も表しているか。ちょうど夕暮れ時で、天候までもステージの演出の一部と思わせるような自在さがあった。三句目の「自由自在」にもあらわれているように。



17:50~ サカナクション
01.21.1
02.アルクアラウンド
03.アイデンティティ
04.ナイトフィッシングイズグッド

中村:この日最も気に入ったステージがこのサカナクション。なんといっても女性ベーシストの草刈愛美さんが最高でした。幅広く存在感のある音作り。ただでさえ女性のベーシストというだけで注目してしまうのだが、そんなレベルははるかに超えていた。もちろんYMOをはじめとする先輩をめいっぱいリスペクトする山口一郎の謙虚なキャラも大好き。

宮崎:ノリのいい美味しいチューン連発。場内が沸きに沸いた。ボーカルの山口一郎は朴訥で真面目そうなキャラクター(後日、NHK教育テレビ「佐野元春のザ・ソングライターズ」の彼が出演した回を観て、一層その印象を強めた)。俳句が好きらしい(Wikipediaより)。『俳句樹』にも、ぜひ一度訪ねてきてほしい。

飛魚やアイデンティティという語感 斗士
タオル地の少女とサカナクションの歌 斗士
中村:一句目「飛魚」が効いていて「アイデンティティ」をサカナクションの曲と意識しなくてもいい句。二句目「タオル地の少女」は面白いが「の歌」はもうちょっとうまい処理の仕方があるようにも。

大西日音楽を処女懐胎す 安伸
宮崎:え?
中村:愛美様への思い入れが強すぎたかな?



18:10~ 東京スカパラダイスオーケストラ
01.Like Jazz On Fire
02.DOWN BEAT STOMP
03.WORLD SKA CRUISE
04.Absolute Ego Dance
05.STORM RIDER
06.Pride Of Lions
07.愛の讃歌

中村:円熟のエンターテイナーぶりを発揮し、観客の盛り上がりは最高潮に。しかし私は若干疲れていたし、なにかを強要されると反発したくなる性分もあり、すこしばかり醒めた。

管楽器の十四五本もありて涼し 安伸
宮崎:子規のパロディ句。「涼し」から管楽器独特の質感を受け取る。

黒衣と金管汗という汗夢の島に 斗士
目を閉じてトランペッター驟雨する 斗士
宮崎:サカナクションで沸いた場内に、さらに油を注ぐ。演奏者ひとりひとりのソロの時間に、「見せ方」の個性が出ていて面白い。これでもかこれでもかのサービス精神、そしてクオリティを感じた。
中村:一句目の佶屈なリズムは、スカパラ特有の若干の押し付けがましさに通じている。二句目「目を閉じて」「驟雨する」にソロ演奏者の陶酔感が透けて見える。



18:45~ プラスチックス
01.COPY
02.DELICIOUS
03.PEACE
04.DIAMOND HEAD
05.CARDS
06.TOP SECRET MAN

中村:彼らの活躍をリアルタイムでは知らないのだが、youtube等で予習し、チープでさわがしい感じを面白く思った。ヴォーカリストの女性は当時のボーカリストの娘ということだったが、一生懸命当時のノリを再現しようとしていてなかなかにキュートだった。一方で、人間なのリズムマシン以上にマシンライクな屋敷豪太のドラムは驚異そのもの。力の入れどころが他のどのグループとも違っていた。

次々とパラソル開くテクノポップ 斗士
宮崎:30周年での再始動ということだが、僕は1983年にプラスチックスを日本武道館で観たことがある(シーナ&ロケッツ、RCサクセションと のジョイントコンサート)。その時もパラソル開く系のハデさ、美意識を感じていたのだと思う。
中村:「次々とパラソル開く」に性急さとペラペラした感じが出ている。

細密に悪夢を演ず秋の夜の 安伸
宮崎:なるほど、確かに「悪夢」っぽさもあり。「細密に」がリズム隊のクオリティを表現している。



19:15~ Yellow Magic Orchestra with 小山田圭吾・高田漣・権藤知彦   
guest.Crystal Kay
01.LOTUS LOVE
02.Day Tripper
03.音楽
04.体操
05.千のナイフ
06.BEHIND THE MASK
07.Tibetan Dance
08.Thank You For Talkin' To Me Africa
09.Rydeen
10.Fire Cracker
11.Hello Good-By

中村:サポートメンバーを含めて、おそらく日本屈指の完成度をほこる「バンド」ではないだろうか。曲も「BGM」や「テクノデリック」といった もっとも充実していた時代アルバムから多く演奏してくれた。「体操」では体操服姿のダンサーが登場、教授が拡声器を使って号令をかけていた。

体操の白服痛いほど照らされ 安伸
宮崎:「痛いほど照らされ」の措辞にYMOならではのキッチュさが表われる。しかし四曲目「体操」よくやってくれたなー。凄い五十代後半、六十代前半だ。歓喜。

蓮の花三人並んでいる普通 斗士
音楽は蜜幸宏の蝶ネクタイ 斗士
ボーカル細野鯰はゆっくりと豊か 斗士
教授まだまだ青梅弾んでおり鍵盤 斗士
ライディーン体のどこかまだ中2 斗士
夏の終わりは細野の深々とおじぎ 斗士
宮崎:一句目の「蓮の花」は「LOTUS LOVE」から。いやもう、三十年来のファンなもので‥‥。あの三人が並んでいるだけで、いろいろな思い出が頭の中を駆け巡る。ぜひこの景色、彼らが七十代 になっても八十代になっても‥‥と祈らずにはいられない。
中村:「YMOの三人が集うことは二度とないだろう」と思われた時期もあった。一句目の「普通」は、三人が並んでいることの貴重さを裏返した表現であり、感慨深い。三句目、細野氏のヴォーカルの独特の味わいを、これまた独特の比喩で表した。五句目にも共感する。幼少時に夢中になった音楽はもう、身体の一部としか言いようがない。


WORLD HAPPINESS 2010
http://www.world-happiness.com/

参加アーティスト紹介
http://world-happiness.com/artist/

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